東日本大震災を経験して学んだことをここにまとめておきます。
毎年のように日本各地で発生する自然災害。
災害に備えて防災グッズを準備している方も多いかと思います。
でも、震災を経験して学んだことの結論から申し上げます。
便利な物は無くても困らない
防災グッズでいらなかったものとは便利な物になります。
「備えあれば患いなし」そんな言葉もありますが、備えていた物が全く使えない状況になったら意味がありません。
もちろん事前に準備しておくことで気持ちも安心するし、取り出せる状態にあれば役に立つこともあるでしょう。
でもそれが取り出せない状態や使えない状況になったら、無力だということです。
私が震災を経験して学んだ防災グッズでいらなかったもの役に立たなかったものをご覧いただき、本当に必要な物は何かを考えるきっかけになれば幸いです。
防災グッズでいらなかったものとは【便利な物です】
私が経験した災害は東日本大震災。
2011年の3月11日の午後に大地震が発生しました。
当時の状況で私が学んだことです。
「防災グッズでいらなかったも」それは便利な物です。
人それぞれ必要と感じるものに違いがあるはずなので、参考になる部分だけを知識としてインプットして頂いて結構です。
注意
私は防災の専門家でもありませんので専門的な知識などはありません。
あくまでも体験談として読んで頂きたい内容です。
震災当日、私はデパートで勤務中に地震が発生しました。
デパートは7階建てで、私が居たのが1階にある化粧品売り場。
美容部員として勤務中に体験しました。
第一行動は
まず第一にとるべき行動は自分の身の安全です。
お客様の安全を守るのが最優先と思われがちですが、違います。
自分の身を守りつつ、お客様と一緒に安全なスペースに移動することがもっとも大切なことです。
ケガをしては他の方にも迷惑が掛かりますし、揺れが収まってから非難する際にお客様を誘導することが出来なくなる為です。
東日本大震災では1度揺れが収まってからも何度も大きな揺れが起こりとても不安になったことを覚えています。
- 家族にケガはないか。
- 家は大丈夫かな。
このようなことを考えながらも、お客様を安全な場所へと避難していただきました。
その後2時間ほど経ってから私たち従業員にも退社するように指示があり不安のなか、自宅へ戻ることになったのです。
防災グッズで本当にいらなかったもの【それはすべてです】
当時、私が持ち歩いていたバッグに入っていた持ち物がこちらです。
- カラになったお弁当箱
- ポケットティッシュ
- ウエットティッシュ
- あぶらとり紙
- 化粧品が入ったポーチ
- 生理用品
- 財布
- スマホ
必要最低限の物しか持ち歩いていませんでした。
もちろん防災グッズなんてありません。
一応自宅には防災グッズのセットが1袋だけあったのですが、今は職場ですので手に取ることは無理な状況。
便利な防災グッズが使えない状態だったのです。
そこで言えることは次の答えです。
防災グッズでいらなかったもの=すべて。
もしかしたら本当の答えはこれなのかもしれません。
防災グッズは災害時、手元にないと意味がないことはわかっているつもりでしたが、いざ体験してみると改めて無力さを感じました。
便利な物が入っているのに全然役に立たない、役に立てることができない状況だったのです。
上記の持ち物を見て頂くとわかるように、災害時に役に立ちそうな物などありません。
あえて言うなら、スマホぐらいです。
その他の物も一時的には役に立ちますが、あっという間に消耗してしまいます。
このように災害が起こる場所は予測が出来ないので、本当に必要な防災グッズを持って非難することが無理な状況もあると考えられます。
では、仮に防災グッズがあった場合、役に立つのか、役に立たないのかを実際の状況を踏まえて考えてみました。
防災グッズがあったら役に立つのか
職場を後にし、車で自宅へ移動し始めたのが最初の揺れから2時間以上たってから。
通常なら30分で到着できる距離ですが、3時間以上も掛かりました。
時間が掛かった理由がこちらです。
- 道路はグニャグニャになっている。
- 橋が通行止めになっている。
- 信号が消えている。
- 渋滞が発生している。
さらには道路脇の民家が壊れ道幅が狭くなっているところもありました。
何度もスマホで家族に連絡を取ろうとしましたが、繋がりません。
唯一役に立つはずのスマホがまったく使用できない状態でした。
このような状態で自宅や家族がどのような状況なのかをしることは出来ませんでした。
- 今私にできる事は無事に帰ること。
- そして家族の無事を祈ることしかできませんでした。
この状況から言えることは、職場にいた時と同じように防災グッズがまったく役に立っていません。
持っていないので当たり前ですが、これが現実なんです。
防災グッズを発見 役に立ったのか
3時間後無事に家に到着することができたのですが、家の中は散々な状態でした。
家具は倒れ、皿が割れ、家の中が荒れ放題でした。
それでも家族の無事を確認することができたことが、一瞬ですがホッとできたことを覚えています。
しかし大きな余震は続いています。
とりあえず今できる事をしようと余震が続く中、貴重品や食料品を車の中へ運び出しました。
それから防災グッズも運び出しました。
寝室のクローゼットの中にしまっていたのが良かったのか、破損していませんでした。
私が持っていた防災グッズの中身
- そのまま食べられるレトルト食品
- 手回し発電タイプの懐中電灯
- 水1リットル
- 救急セット
- ローソク
- ライター
- ラジオ
- ホイッスル
- マスク
- 手袋
- 現金
このような物が入っていました。
もともと防災グッズにはあまり関心がなかったので、最低限の物だけしか準備していませんでした。
子供が以前使用していたリュックサックに上記の物を入れていました。
この中で実際に役に立ったものはホイッスル以外の物です。
でも本当に本当に一時的にしか役に立ちません。
1日程度なら乗り越えられますが、長期戦には向いていませんでした。
必需品です
ただ、ラジオと懐中電灯はずっと役に立っていました。
震災の時、私の家の地域では電気と水道が1週間以上ストップしていました。
水道が一番最後に復旧したのですが、2週間近く水が出ない状態が続きました。
電気が止まっているのでスマホの充電も無理です。
テレビも観ることができないので情報を得ることができません。
しかし、ラジオを持っていたことである程度、震災の状況をしることができました。
ほとんど車の中で過ごしていたので、カーラジオを聞いていたのですが、携帯ラジオは必須です。
ありがとうございます
ラジオから聴こえてくる地域情報の他にも、アナウンサーが掛けてくれる言葉に励まされました。
懐中電灯も役には立ちますが、暗くなったら移動をしない方が安全なので殆んど使用しませんでした。
もちろん移動をする時や物を探す時には役に立ちますので、こちらも必需品です。
まとめ:防災グッズでいらなかったもの【外出先ではすべていらない・家ではすべて必要】
私の状況のように職場や外出先で災害に巻き込まれた場合に防災グッズがいるのか、いらないのかをまとめます。
あれば便利ですが、なければ無いなりに考えて行動することが必要です。
外出先で防災グッズがすべていらないというよりは、手元に無いので他の手段を考えるしかないのです。
- 職場や移動中は手元にないので必要性を考えてはいけない。
- 外出先では無事に帰ることだけを考える。
しかし家に帰ることが出来たら便利な物は必需品になります。
- 防災グッズでいらなかったものはありません。
- 特に必要な防災グッズはラジオと懐中電灯。
今回グッズとしては取り上げませんでしたが、もちろん水などの食料品は必要不可欠です。
生きるために最低限必要な物資の情報は自治体などの情報を確認することが必要です。
そのうえでもラジオは必需品です。
スマホのツイッターでも情報を確認できますが、充電されていた場合の話です。
初期段階では電源を供給してくれる車や場所が無いので、唯一の情報源はラジオでした。
日頃から確認しておくこと
ただ、ラジオでも地域の情報を細かく発信しているとは限らないので日頃から災害が起きた場合を想定しておくことが大切です。
外出中では無理ですが、自宅で災害にあった場合には避難場所を知っているだけでも役に立ちます。
それから気になるトイレ事情ですが、水が出ないのでとても困りましたが乗り越えた方法があるので最後に紹介いたします。
災害時のトイレ事情
避難所には簡易トイレが設置されていましたが利用はしませんでした。
理由は移動距離が長いためです。
幸い私の家は倒壊することはなかったので、トイレを使用することはできました。
ただし水は出ません。
そんな時に近所の方から教えて頂いた方法です。
汚い話ですが、これしか方法がありませんでした。
嫌だなんて言ってられない
近くに川が流れていたのですが、その川の水を利用していました。
バケツ1杯程度の水を便器に入れ、その水圧で排泄物を流していました。
水の運搬には旦那が釣りで利用していた魚を入れるクーラーボックスを利用していました。
結構大きめのボックスだったので数回分ですが利用できました。
近くに川がないとできない方法ですが、覚えておいて損はありません。
とりかく無事に毎日を乗り越えることだけを考えていたので、細かい事を気にしていなかったのが正直なところです。